仕上げ実績・ブログ
2010.11.15
ガリ傷の大小より表面加工の違いでお値段、納期が大きく変わってきます。
「ガリ傷が入りました。いくら掛かりますでしょうか?」と合わせを頻繁にいただきますが、ガリ傷修理自体は簡単な事ですので傷云々では有りません。
曲り、ガリ傷を修理してから現品オリジナルに近づけるためにそれぞれ違う表面処理には安く上がるものから限りなく新品に近くなるモノ、新品より高くなってしまうモノなど料金、納期に大きく差が出てしまいます。
ガリ傷の大小より表面加工の違いがお値段の違いです。
傷や欠けの原型修復工程はホイールを問わず共通です。
研摩形成までの修正過程は溶接肉盛り、歪みやプレス円真度出しなど修理屋さんの一番肝心要なお仕事です。
パテ埋めて塗ったり、削ったりは素人でも出来ます。
傷修理から様々なホイールの表面処理に応じて料金と納期が変わります。
例写真のホイールはハイパー塗装ですのでハイパー塗装までして約18.000円前後となりますが、普通の溶剤カラーの場合約10.000円前後で収まり、クロームやスパッタリングメッキの場合、1本/約55.000円以上かかってしまいます。
同サイズで同条件のガリ傷修理から表面処理の違いで料金の高い順位を整理しますと以下の順番
高い順番~※15~18インチクラス(曲り、ガリ傷の損傷の大小で変わります。)
1位・全面クロームメッキ(1本/60.000円~)
2位・全面スパッタリングメッキ(1本/55.000円~)
3位・全面ダイヤモンドカット(1本/35.000円~)
4位・リム全面アルマイト(1本/25.000円~)
5位・部分ハイパー塗装(1本/20.000円~)
6位・部分ブラッシュド(1本/18.000円~)
7位・部分バレル研摩(1本/15.000円~)
8位・部分溶剤カラー(1本/10.000円~)
9位・リム磨きフィニッシュ(1本/8.000円~)
修正工程は同じでも最終処理のそれぞれ異なる
表面加工料金の高い順位
ガリ傷修正から表面処理までの1本分のお値段です。
1位 クロームメッキ加工(電解硬質金属膜箔)
傷の大小に関わらず、クローム金属膜の全面剥離から始まり素地をバフ研摩して丸ごと再クロームメッキとなるため、ワンオフではコストが掛かり、ホイールによっては新品を買った方が安く上がる事も少なくありません。
部分修理が出来ず、再クロームするたびに素材が犯され強度低下を起こし、さらに高額で納期も掛かるとなればありは良い所はありません。
クロームメッキ修正の詳細はこちら
料金: 最低でも1本/6万円~10万円以上
納期: 50日~(外注工場の受注状態などで外注工場の都合に依存されますので納期に関しこちらでは確約出来ませんので納期に猶予を持ってお願いします。)
2位 スパッタリングメッキ(クローム蒸着式SBC・SMB)
ベースとなる粉体塗装をしてクロームを蒸化させてその上にクリアー塗装で抑える塗装式のメッキ処理です。
これもメッキですのでクローム同様、傷の大小に関わらず、スパッタメッキの全面剥離から始まり丸ごと再スパッタリングメッキとなるため、商品により新品で購入したほうが安く上がる事もあります。
塗装式メッキのため強度低下の心配はありませんので、軽量で強度が売りの鍛造ホイールなどに適しています。
傷に弱く、飛び石などで塗装割れを起こしやすく、表面が弱くてもろいのが難点です。
元々塗装式のためイメチェンして他のカラーへ4本再塗装してもお安く上がります。
※旧式のアルミを飛ばして蒸着させる真空蒸着メッキではありません。 スパッタリングメッキは同じ蒸着式でも品質、仕上がりは新品同等となります。
料金: 1本/4万円~6万円以上
納期: 40日~(外注工場の受注状態などで外注工場の都合に依存されますので納期に関しこちらでは確約出来ませんので納期に猶予を持ってお願いします。)
3位 ダイヤモンドカット(削りだし研摩)
PC旋盤にてダイヤモンドチップで表面のみを一皮向い削り出す切削ライン光沢仕上げです。
これも部分修正が出来ませんので傷の大小に関わらず表面丸ごと切削となります。
付属パーツのキャップやキャッププレートなどはダイヤモンドカットが出来ませんのでホイールと同質の仕上げが不可となります。
ダイヤモンドカットの新品の生産の場合は数百個単位で同じ形状のものをラインにて切削加工するためコストが安くなり、ダイヤモンドカット商品は1本1万円代の低価格ホイールも数多く販売されたいますので、新品の方が安く上がる場合が少なくありません。
新品で1本/1万円台のモノでも1本モノの切削加工は1個1個3Dのデータを作る必要があるため1本モノの修理は価格が高くなってしまします。
ダイヤモンドカット修正の詳細はこちら
料金: 1本/2.5万円~3.5万円~
納期: 20日前後
4位 アルマイト光輝リム(酸化皮膜)
ディスクがスパッタリングメッキでリムがアルマイトメッキの個別加工の合体型2Psホイールです。
作業例のWORKホイールはアルマイト再メッキしたモノです。
アルマイト再メッキへの2つの必須条件
1・リム単体に分解できる事
2・擦り傷、シミ程度のモノで、肉盛りして直したものは再アルマイトメッキが出来ません。
アルマイトメッキリム修正の詳細はこちら
リムアルマイト光輝メッキ代
料金: 1本/1.8万円~3.5万円前後
納期: 14日前後
5位 ハイパー塗装(DBK・DSK)
一般的なシルバーメタやガンメタとよく勘違いされますが全く別モノです。
シルバーメタやガンメタ塗装と違いハイパー塗料のお値段や塗装工程(6層塗装)の違いでウレタンカラー塗装よりはやや割高となります。
ウレタン塗料とハイパー塗料では同じ計量で数十倍高価ですが当店ではハイパー塗装の部分修正を可能としているため 色の誤差も無くウレタンカラーの6割増し程度でお安く修正しています。
ハイパー塗装修正の詳細はこちら
料金: 1本/1.8万円~2.5万円前後
納期: 10日前後
6位 ポリッシュホイール(削りだし・磨きこみ)
アルミ素地表現の上面に透明のクリアーで保護されていますのでこれも部分修正が出来ないため丸ごと研摩となります。
アルミ素地表現ですのでパテ埋めなど当然出来ません。
深い傷は溶接肉盛りが必要不可欠となり溶接範囲の広さと場所にも影響され さらに既存のクリアー剥離も窓部カラー塗装剥がずに残すハンド剥離となりまた溶接による 窓部カラーの部分塗装などデザイン構造で料金に幅が出てきます。
当店のポリッシュの最終仕上げは一般的なBBバフ研摩ではなく水槽式べレル研摩機による スーパーミラーポリッシュ研磨をしています。 そのためムラ無く均等に光沢が蘇ります。
ポリッシュホイール修正の詳細はこちら
料金: 1本/1.2万円~2.8万円前後
納期: 7日前後
7位 バレル研磨2次元&3次元(磨きこみ)
7位 バレル研磨フルポリッシュホイール
元々フルポリッシュされているホイールや当店で以前ミラーポリッシュ加工したホイールはベースが出来上がっているため部分修理から再バレルになるためお安くなります。
スーパーポリッシュバレル研磨の詳細はこちら
料金: 1本/1.5万円~2.5万円前後(オンクリアー・ノークリアーが可能です。)
納期: 7日前後 (塗装工程の無い軽い傷程度は3日で上がります。)
8位 ウレタンカラー塗装ホイール(二液型アクリル)
カラーバリエーション豊富な車のボディーカラーと同質の焼付け2液型アクリルウレタンカラーです。
もちろん部分修正が可能で色さえピシャット合えばほぼ新品同様に仕上がります。
白、黒、赤、青と言ったソリッドカラーやシルバー、ゴールドのようなメタリック系など調色も自由自在です。
ウレタンカラー塗装修正の詳細はこちら
料金: 1本/1.0万円~1.8万円前後(カラーの調色代が別途掛かる場合があります。)
納期: 7日前後
9位 アルマイトリムの鏡面研摩(磨きこみ)
ディスクがダイヤモンドカットでリムがアルマイトリムの個別加工の合体型2Psです。
上記3位のアルマイトメッキの1・2の条件を満たないものや 価格の面でアルマイトに似た感じに仕上げる場合リム鏡面研摩加工となります。
一番お安くなる理由は肉盛り研摩形成して磨き込みフィニッシュで塗装工程が無いから一番お安くなります。
当店ではきちんと最後に保護膜として ガラス樹脂コートしてのお値段です。
ガラスコーティングについてはこちら
注)肉盛り溶接しないで、傷部を削り込み、面合わせして磨き込んである削り込み修正が非常に多いタイプでもあります。
削り込み修正についてはこちら
アルマイトリムの鏡面研摩修正の詳細はこちら
料金: 1本/8千円~1.5万円前後
納期: 5日前後
番外編 ステンレスジャケット(リムカバー式)
ホイールリムの上面に光輝ステンレスを貼り付けてあるカバータイプです。
ステンレスは肉盛りや研摩が出来ませんのでカラー塗装で塗り替えるか、ステンレスジャケットの交換となります。
メーカーにより仕入れの「可・不可」がありますので全て交換が出来るものではありません。
ステンレスジャケット交換(ジャケット貼り付け工賃込み)
料金 1本/3.5万前後~6万円前後
納期 10日前後
対応できる表面処理は全てアルミホールに限ります。
マグやスチールは表面処理不可のモノがあります。
マグネシュームホイールへの表面処理不可のモノ(メッキ・磨き系は不可です。)
クロームメッキ加工
スパッタリングメッキ
アルマイトメッキ
ダイヤモンドカット
ポリッシュ&スーパーミラー研摩
加工可能な表面処理
パウダーコートをベースとしてのカラー塗装(溶剤ウレタン・パウダー・ハイパー塗装)は可能です。
鉄スチールホイール(磨き系は不可です。)
アルマイトメッキ
ダイヤモンドカット
ポリッシュ&スーパーミラー研摩
加工可能な表面処理
クロームメッキ、スパッタリングメッキ、カラー塗装(溶剤ウレタン・パウダーハイパー塗装)は可能です。
(有)オートサービス西HPはこちら
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- ガリ傷修正のお値段について
2010.11.10
WORK シェパード16インチ 2PS溶接結合ホイールのガリ傷、曲り修正
2PS溶接結合ホイールのガリ傷、曲り修正について!
良くある大きく曲ったアウターとインナーの曲り修正です。
曲り修正自体はそう難しくはありませんが、2Ps溶接ハメ殺しタイプは修理屋さんにとって非常に厄介な構造のホイールです。
デザイン面アウターリムはホイールの構造により修正の仕上がり限界置が大きく変わります。
裏のディスク付け根当たりを覗けば溶接ビートとダミーボルトがありますので、分解の「可・不可」は誰でも判断付くかと思います。
このホイールはリムが合金プレスのアルマイトリムでディスクは鋳造のダイヤモンドカットとなり異種アルミ合金を別々に加工されたパーツを合体した最近よくある2Ps構造のホイールです。
インナーリム修正は関係しませんが、アウターリム修正の場合、ダミーボルト(お化粧ボタン)付きの溶接ハメ殺しはディスクが邪魔になり研摩形成や修正復元に限界があります。
大きな曲りによりリムがディスクへ干渉しており、喰い込み跡が見えます。
モノチューブのカールリム修正は外周の肉盛りは必要不可欠です。
アルマイトカールリム修正の詳細についてはこちら
リムへの喰い込み跡が残っています。
リムとディスクに僅かな隙間がありますので肉盛り研摩形成ができない事はありませんが、溶接の際、溶接熱によりディスクのポリッシュ部が焼けて変色してしまいますので、今回は溶接ができません
※ディスクの塗り替えを前提とした修理ならこの程度は溶接にて埋めることは可能です。
またリムがカラー塗装品なら、喰い込み跡もパテ埋めしてカラーで隠れてしまいます。
他3本のガリ傷修正も構造上ディスクが邪魔になり、リム根元より鏡面研摩ができませんので写真のようにリム上面のみの仕上げとなってしまいます。
2Ps溶接ハメ殺しタイプの修正やリフレッシュの難点について
2Psホイールは全てリムとディスクの材質、製法、表面処理がそれぞれ違います。
そのため分解できないホイールは完全な修理や表面処理が出来ないものが多くなってしまいます。
その1・再メッキや再アルマイトは分解して個別にやるためメッキ関連は全て不可となります。
その2・デザイン、構造によりリム鏡面研摩などリム根元より完全フル研摩ができません。
その3・リム交換も当然出来ません。
その4・ディスクへのスーパーミラーバレル研磨も出来ません。
その5・溶接や塗装など現状の届く範囲となり完全な加工が出来ません。
OZやBBSなどで代表される完全分解できるものは個別加工が可能なため綺麗に蘇りどうにでもなります。
※同じ分解不可の一体型の1Psホイールの場合はリムとディスクが同一材質ですので再メッキや再ポリッシュは可能となります。
(有)オートサービス西HPはこちら
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- 2・3Ps溶接ハメ殺しの修正・フレッシュ
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2010.11.03
スカイラインGT-R35 純正20インチ 3次元スーパーミラーポリッシュ
スカイラインGT-R35 純正20インチのガリ傷修正から3次元スーパーミラーポリッシュ!
頑丈で素材の良いRAYS製「鍛造加圧式(FORGED)」はスーパーミラーバレル研摩に相性抜群で、こんなに変わります。
スカイラインGT-R35純正ホイールへの3次元スーパーミラーポリッシュ!
フロント9.5J側です。ガリ傷修正から始まります。
R35純正色はハイパー塗装で黒味の濃いタイプとなります。
リム端までスポークがきていますので20インチ以上さらに大きく見えます。
※アルミ製のキャップはホイール同質のミラーポリッシュ可能となりますが、プラ樹脂製のキャップは研摩不可のためハイパーシルバーで対応しています。
リアー10.5J側です。フロントとは幅、オフセットが大きく違うためスポークの盛り上がり感が違います。
10J以上になると下処理から仕上げのバレル研摩機の設定なども変わってきます。
3次元研摩の側面です。
スポークサイド面も表面同様に仕上がっています。
クロームとは違ったアルミ独特の柔らかい落ち着いた大人の光沢です。
2次元・3次元研磨についてはこちら
オンクリアー・ノークリアーはご希望に応じて対応いたします。
オンクリアー・ノークリアーの特性についてはこちら
※重要)鍛造ホイールへのクロームメッキ加工は不向きです。
鍛造でもクローム加工も出来ない事はないですが、「もったいない」って事です。
今回のR35ホイールは最初クロームメッキを希望されてました。 クロームは最鏡の輝きとなりますが、リスクも伴います。そのリスクとは、リクロームする際、合金の一部が犯され素材を痛め、強度がどうしても低下してしまいます。鍛造ホイールは頑丈で軽量な事が一番の売り、特徴です。 それらをわざわざ高額な料金を払って強度を落とし、鍛造の有るべき要素を低下させてクロームにするより、強度品質を損なわず、鍛造と相性の良いミラーポリッシュを今回お勧めいたしました。
クロームメッキは科学反応によりアルミ合金の一部を溶かし犯してしまうため市販されているクロームホイールは全て鋳造(CAST)ホイールとなり、クロームする事を前提にあらかじめ太く分厚く造るため重量が課さんでしまいます。
クロームホイールは同サイズの鍛造ホイールの倍近い重量があるのはそのためです。クローム層が重たいのでは無く、素材自体が分厚く重くなるのです。
鍛造ホイールをクロームメッキしてしまえば鍛造本来の意味が無くなるため鍛造のクロームメッキは市販されていません。
AVSやSSRなど鍛造ホイールに一部メッキホイールが有りますが、それらは全て素材を痛めない塗装式のスパッタリングメッキ(SMB・SBC)となります。
つまり市販されているメッキホイールの分類として鋳造ホイールのメッキはクロームが主となり鍛造ホイールのメッキは全てスパッタリングメッキとなっています。
※コストの面で鋳造品でも廉価ホイールはクロームでなく蒸着メッキもあります。
ミラーポリッシュはクロームメッキのように錆び、腐食、剥げ、などの損傷劣化の心配もありません。
※普段のメンテナンスの有無で光沢の維持は左右されます。
仕様中生じたガリ傷など当店で一遍磨いてありますので、ローコスト、短納期で修理、再研磨が何回でも可能です。
●再修理代(ノークリアーの場合)12.000円~
●納期 1週間程度
※クロームメッキの修正再クロームは剥離から始まり再クロームとなりますので、18インチクラスで1本/7万円以上となり納期は40日以上かかります。
さらに再クロームは溶剤漬け電気分解により一部素材が犯されますので強度が3割ほど低下するため再クローム回数には限界があります。
※スパッタリングメッキは塗装式ですので強度低下の影響はほとんどありません。
クロームメッキの修正/再クロームについてはこちら
カラー塗装ホイールと違い素材自体の表現ですので、ガリ傷修正など肉盛り研磨形成の誤魔化しのきかないホイールです。
外車・国産車純正ホイールや社外品ホイール問わずスーパーミラーポリッシュ可能です。
素材自体の磨き工法のため素材の良し悪しに仕上がりが反映されます。
鍛造加圧式(FORGED)品は特にお勧めします。
ミラーポリッシュサンプル販売品もあります。
(有)オートサービス西HPはこちら